欧州議員が、日本に来るということ

暴風雨の中、海賊党議員が視察のため来日した。

なんの因果か、一日目からウルトラハードスケジュールを組んでしまった私たち。初日の今日は、文化庁著作権科、コミケット準備会(と米沢嘉博記念図書館)、Sony, DMM.make AKIBAの視察と意見交換会をした。政府機関、市民団体、メガテック企業、IoTアクセラレーターとセクターも様々で、同時にどの組織もそれぞれの分野でのリーディング・オーガナイゼーションだ。

それぞれの場所で本当に面白い話を聞かせていただいたのだが、あまりに長くなってしまうので初日の感想をひとつ。

それは、「欧州議会議員が、日本に来るということの意味」だ。

もちろん、海賊党・ジュリア・レダ議員は「one of them」の議員ではない。常にメディアの注目を集め、また先進的でテック・サヴィな政治家として評価されてきた議員でもある。

それでも、ブリュッセルにいたときは、海賊党議員の元で働いているというと「海賊党?(苦笑)いやー彼らはもうダメだね」と言われたり、「ていうかそもそも欧州議会ってバナナの形の規格決めるところでしょ?(そういうジョークがあるのだ)」と揶揄されたり、「ジュリア・レダ」の名前は必ずしも常に重く見られてきたわけではなかった。(まあ、そもそもブリュッセルに政治に関連する人がいすぎるということもあるのだが…)

しかし、今日一日を通して、どの担当者の方も決して彼女を軽く見たり、判で押したような態度をとる方はおらず、皆さん身を乗り出して自らの活動をお伝えしてくれ、また彼女の意見に真摯に耳を傾けてくださった。そして、著作権法改正について、GDPRについて、ドイツのスタートアップ事情について、TPPやTTIPについて、Brexitについて(笑)、様々なトピックについてボールを投げてくださった。

海賊党という新しい、そしてマイノリティな政党の議員ということで、あまり誰も興味を持ってくれないのではないか、色眼鏡で見られることがあるのではないか…という私の懸念は、嬉しい驚きとともに裏切られた。

それはもちろん、彼女がEUの著作権政策、IT政策のエキスパートでありプロフェッショナルであることを皆さんご存知だったからだとは思う。

ただもうひとつ、担当者の方々の言葉から感じたのは、”EU”という、危うく、脆く、スキャンダラスで、しかし崇高な理想を持った政治組織が、今後どう変わっていくのか知りたい、という強い興味だった。

日本の政治には、どこかで「結局、なにも変わらない」という停滞感が渦巻いている。国際条約交渉でも後手後手、ビジネスも政治も大きなイノベーションは起こらない、というあきらめの気持ちがそこかしこから噴出している。

そこにあって、もっとも迅速にEU全域の市民のデータ保護規則を取り入れたり、もっとも強くGoogleやAmazonといった外資系オンラインプラットフォームへの警鐘を鳴らしてきたEUという組織。そして、一番最初に「市民による直接民主制」や「国境を撤廃すること」の危うさを示してきたのも、EUだった。そんな、清濁あわせ持つ、理想と現実に阻まれた組織であるEU。EUのらでぃかるさから、日本が学べることは大いにあると思う。

そして、この「危うく、脆く、スキャンダラスで、しかし崇高な理想を持った政治組織」…というEUの枕詞は、そのまま海賊党の修飾語にも当てはまる。

明日はいよいよ、海賊党議員を招聘しての、液体民主主義&海賊党についてのイベント!多分、日本で海賊党や液体民主主義、インターネット政治について扱ったイベントの中ではもっともdeepでextensiveなイベントになると思うので、皆さん乞うご期待です!

液体民主主義についてブリュッセルでジュリア議員が主催したイベントのレポを予習にどうぞ。


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