海賊党大躍進の前兆?ベスト党にみるアイスランドの政治リテラシー⑤

海賊党とは直接は関係ないのだが、面白い話を聞いたのでシェア。

アイスランド海賊党が設立された2013年以前に、「海賊党っぽい」党が存在したらしい。

その名は「ベスト党」。

ウィキペディアによると、

ベスト党アイスランド語: Besti flokkurinn)は、アイスランド政党。党首はレイキャヴィーク市長のヨン・ナール2008年9月に発生したアイスランド金融危機への対応を巡る既存政党への不満の受け皿となり、2010年6月15日のレイキャヴィーク市議会選挙において、15議席中6議席(得票率34.7%)を獲得した[1]。同党の候補者には、ポップバンドの元歌手や主婦、建築家などがおり、様々な候補者が当選を果たした。

ベスト党の党首で、2010年から2014年までレイキャビク市長を務めていたのは、コメディアンのヨン・ナール氏。

ベスト党が有名になったきっかけは、レイキャビク市議選の選挙キャンペーンでつかった、以下のYoutubeビデオ。どことなく”We are the world”のパクリオマージュっぽいこのビデオは、政策と「私たちはベストだ」という歌詞を朗々と歌い上げ、瞬く間に拡散した。

そんな彼らが歌い上げるマニフェストは

  • 汚職の排除
  • 税金を無駄遣いしない
  • 公共交通機関の強化
  • 市内における電気自動車の普及
  • 市内の動物園でシロクマを保護
  • 市営プールで無料のタオルを提供(18歳以下はプール入場も無料化)
  • 市内の首都空港にディズニーランドを建設

などなど、風刺というよりむしろほっこりするものが多い。

ベスト党はヨン・ナール氏の市長任期満了とともに解党し、党員の多くは「もうちょっと真面目方向にシフトするため」「明るい未来」という政党に合流。

そしてベスト党の解党に呼応するかのようにアイスランド海賊党が2013年に設立され、いま人気を博している。

ちなみに、ベスト党はアイスランド海賊党が設立される前は欧州海賊党のオブザーバーメンバーでもあったらしい。さらに、ドイツ海賊党と「何も宣言しない宣言(Declaration on nothing)」を共同採択するなど、海賊党とのつながりは深い。


 

ドイツの風刺政党「党」のブログポストでも触れたが、ヨーロッパを通じてこのようなおもしろ政党・風刺政党が出現する現象は、既存の凝り固まった政治への反発の表れだろう。

政治への疑問や不満を誰かがさらりと(センス良く)ジョークにし、そのジョークの中に問題の本質を織り込む、そして市民もそのジョークに真剣に乗っかる、という一連の動きが、なんというか健全だなあと思うし、「政治リテラシー」ってこういうものなのかなという気さえする(もちろん、このようなおもしろ政党は常にポピュリズムの危険性をはらんでいるが)。

海賊党をこのような、従来型政治から一線を画した、オモシロ&風刺政党の波のひとつの潮流、として見るのもまた興味深いとおもった。


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