政治の透明性と知る権利。海賊党の欧州議員がロビー活動を全公開した理由とは

海賊党欧州議会ジュリア議員が去年立ち上げたプロジェクトで、スゴイものがある。

それがLobby Calendar(ロビー・カレンダー)プロジェクトだ。

lobbycal

このプロジェクトをかんたんに説明すると、議員であるジュリアが受けたロビー活動を全公開する、オープンソースのソフトウェアのことである。ジュリアのウェブサイトに行くと「Lobby Meetings」というメニューがあり、だれと、いつ、なんのトピックで話し合いがあったのか、すべて公開されている。しかもこれ、オフィスで使っているOutlookのカレンダーにページが直結しており、ある一定のシンタックスでカレンダーに予定を入力すると自動的にここに全公開されるという仕組み。

lobbymeetings
最近のやつもどんどんアップデートされる

このプロジェクト、「徹底的な政治の透明性」や「デジタルテクノロジーで政治を変える」ことを標榜する海賊党の思想を多分に反映している。

民主主義が機能するためには、有権者が政策決定に必要な情報を十分に保有していなければならない

間接民主制のもとでは、代議士がなにに影響をうけてその政策決定を行ったのか、有権者は知る権利がある。なぜなら、政策決定の過程と内容を知ることができてはじめて、有権者は彼らが選んだ政治家が本当に彼らの利益のために働いているかどうかを知ることができるからだ。そして健全な間接民主主義のサイクルとは、それらすべての情報をもって有権者が次の選挙で投票し、きちんと市民の声を聞いている人だけが生き残っていくプロセスだ、と海賊党は主張する。この信念にもとづいてジュリアはロビー活動を全公開し、自分がきちんと市民の声を反映できているか、どんどん分析してくれ、と呼びかけた。

このプロジェクトはジュリア主導ではじまったが、のちに緑の党全体のプロジェクトとなり、たとえば欧州議会副議長ウルリッヒ・ルナチェク議員などもいまはロビー活動を全公開している。この事実も、「政治をハッキングする」ことを標榜した海賊党を体現するものであろう。海賊党は従来の政局に流されず、また右や左といった政治イデオロギーに振り回されない党として立ち上がった。政策決定過程を公開し民主主義を良くしていくことはイデオロギーに関係なく成されるべきで、そのイデオロギーに関係ない理想を議会のなかから浸透させていくことは海賊党のジュリアだったからこそできたことだし、これこそが海賊党が議会に存在すべき理由ともいえるだろう。

european pirate party

プロジェクトを発表するプレスカンファレンスでジュリアはこう言い放った。

「ロビーのデータを公開するだけでは不十分だ。私がめざすゴールは、あらゆる政治家からデータを集め、分析し、本当に民意が政治に反映されているのかを常にモニタリングできるようになる、そんな政治だ」

デジタルテクノロジーで政治をアップデートする―。そんな夢を現実に実装する議員のつよい言葉に、まだまだやれることはある、そう思えた日だった。


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