海賊党は「コンテンツにタダでアクセスさせろ」といってるわけではないよ。彼らの本当の主張とは

(Tatsumaruさん本当にありがとうございます!)

話を単純化するために「海賊版」と一括りにしてしまったが、違法ダウンロードとファイルシェアは厳密に分ければ違うし、そのほかにも語りきれなかった論点は数え切れないほどある。

それでも、「このままのインターネット以前のビジネスモデル・著作権法ではコンテンツビジネスはいずれ立ち行かなくなる」という論をシェアできたらと思っている。

ひとつ残念に思うのは、こういう主張をすると「コンテンツを無料で配れ!金なんか払いたくない!」という我儘なフリーライダーというレッテルを必ず貼られてしまう点だ(というか海賊党なんて名乗っちゃってる時点でそういう偏見を持たれてもしかたないのだが笑)。piratebay

しかし、海賊党は、そしてジュリア議員は「海賊版を合法にするべき」と主張しているわけではない。

ジュリア議員が任期を通して繰り返し言っているのは、

コンテンツにアクセスしたい誰もがちゃんとアクセスできる環境をつくること

そして

コンテンツを作ったクリエイターがきちんと対価を支払われるように、アーティスト、出版社、ユーザー、オンラインプラットフォームなどが持つ著作権のバランスを再考すべき」

という主張だけだ。

今回欧州委員規則案がでた「ポータビリティ」の問題が良い例だろう。ある国でコンテンツがアクセスできるのに、ほかの国に行くとアクセスできなくなってしまう「ジオブロッキング問題」。これは出版社やレコード会社がその国での正規版の提供をしていないことから起こっている。結果、ユーザーは海賊版に手を出すしかなくなり、「コンテンツを売って対価を得たい」アーティストも「ちゃんと正規版を買ってアーティストに還元したいユーザー」どちらも損することになってしまう。

ジュリア議員がいう「クリエイターの権利」「ユーザーの権利」とは、すなわち「クリエイターがきちんと顧客にコンテンツを届け、その正当な対価を得られる権利」、「ユーザーがアクセスしたいコンテンツにアクセスできるようになる権利」と言い換えることもできる。

そしてこの問題はそのまま日本のコンテンツ輸出における問題にスライドすることができる。現状の日本の「内向き」型のコンテンツ流通の形では、一刻も早くコンテンツにアクセスしたいユーザーたち(特に海外の)は「海賊版」に頼るしかないのだ。これはクリエイターにとっても損害だし、ユーザーにとっても損害なのである(私はドイツの漫画出版社で働いていたことがあり、そのときにこの悲惨な現状を目の当たりにしたことがある)

この視点を無視していくら違法ダウンロードを摘発しても、いくら「海賊版撲滅!」と叫んでも、それは対症療法にしかならず、原因の根本的な解決にはなりえない。

海賊版反対と叫びたいなら叫べば良い。しかし、そんなことをしている間にも世界のどこかで違法ダウンロードはされており、それは決して止まることはない。その根源の問題を解決しない限り。

これが「海賊版を取り締まっても意味がない理由」、の真の意味である。

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