二次創作とか言ってる場合じゃねえ!欧州副委員長の改正著作権スピーチで思うこと

EU改正著作権法案の欧州委員会発表が来月に迫り、著作権界隈(?)がにわかに活気付いている。

欧州委員会のアンシプ副委員長(デジタル単一市場担当相)は昨日ストラスブールでEU改正著作権法がなにをもたらすかについてのスピーチをした。(全文はこちらから)

以下、抜粋した訳。

デジタルテクノロジーがコンテンツの作られ方とその流通の仕方を完全に変えてしまったことは誰の目にも明白だ。

消費者の行動も当然変化している。人々の需要はたった10年前と比べてもまったく異なっている。

著作権は、これらすべての鍵となる。

著作権はユーザー、クリエイター、そして出版社、すべてのクリエイティブな活動にかかわる人々のあり方を規定する。

今日の著作権制度はFacebook, Youtube, Twitterなどが存在しないはるか昔に作られたものであり、デジタル時代の我々の行動に即したものになっていない。

欧州デジタル単一市場の一環として、我々はヨーロッパのこの時代遅れの著作権法をアップデートする最初のステップを踏まなければならない。我々はクリエイターとコンテンツ産業にあらたな可能性を与えたいのだ。

無駄にしている時間はない。デジタル革命はもう起こっているのだ。我々はこれを真剣に捉え、ヨーロッパの豊かな文化の未来のために、行動を起こさなければならない。

これを読んで、日本にないのはこの「姿勢」なんだよなあ…と考えいってしまった。

デジタル革命が我々の生活を根本的に変えるのだという認識。そしてそれに柔軟に法律を適応させ、イノベーションをうながし、コンテンツそして文化をデジタルの観点からもっと興隆させていくにはどうすればいいのか、という考え方。

アンシプ副委員長は海賊版についても言及しているが、「違法ダウンロードは正規コンテンツのアクセスができないからこそ起こるのだ」との見解を示してもいる。これは「海賊版は倒すべき悪ではなく、正規版がない状況で必然的に起こる現象なのだ」と述べた海賊党創設者のリック・ファルクビンゲの見解と近い。EUのトップはここまでデジタル時代のコンテンツ消費のあり方を理解している。

くしくも同日24日には日本でも政府の知的財産戦略本部でTPPによる著作権法改正についての議論があり、安部首相みずから著作権法改正に際して「二次創作が萎縮しないよう配慮する」とコメントした。

首相みずからのこの発言は画期的なことで、喜ばしいことではある。しかし私はあえて言いたい。

二次創作に配慮することなど、当然なのだ。

問題はもっと根本的なところにある。デジタルテクノロジーがコンテンツの消費のあり方をどう変えるか、そして法律はどのようにあらたなコンテンツの消費の仕方を促進していかなければならないのか。

コリイ・ドクトローは言った。コンピューターとはすなわちコピー・マシーンのことだと。コンピューターが世界を支配するこの時代には、コピーとシェアを阻害するあらゆる方策は「不自然」であり、どこかでひずみを生まざるを得ないのだ。

この現実をまず受け止め、そして次世代の文化の作り方を率先して産んでゆくにはどうすればよいのか。市場も、法も、社会も、変わらなければならない。日本はEUに先を越されていていいのだろうか。


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