【著作権】親告罪「だから」ダメ!?未来のデジタルコンテンツのあらゆる可能性のため、いま著作権法を変えよう

最近、日本の著作権法について考えていたこと。(というか毎日考えてるのだが)

日本の著作権は親告罪制「だから」ダメなのではないかということだ。

親告罪とは、被害届が出されてはじめて起訴できる類の犯罪のこと。

日本のネットユーザーのほとんどはこの規定のおかげで逮捕されていないと言っても過言ではない。多くのコンテンツ企業は著作権侵害を「黙認」しているのだ。この規定のおかげで、多くのネット文化が育ち、繁栄していった。

また、親告罪は著作権厳格化にとっても好都合な規定だ。2012年に改正著作権法で日本は違法ダウンロード刑事罰化を施行したが、この裏には「親告罪だから黙認はしてやるが、ヤバいとこちらが判断したらいつでも踏み潰せるように」という意図が見てとれる。親告罪+違法ダウンロード刑事罰化はとにかく著作権者側にすべての権利を掌握させ、ユーザー側には一滴の譲歩も許さない、そんな規定である。

とはいえ、日本は生来の「争いは好まない」「裁判が得意でない」性質により、のらりくらりとこれが議論になるのを避けてきた。「いつでも踏み潰せるように」とは言ってもコンテンツ企業も鬼じゃないし、某魔法の国の企業のようにファンがアップした動画や画像を片っ端から削除するようなことはしない。第一、ファンの活動を取り締まって損をするのはコンテンツ企業のほうだというのは彼らもよくわかっている。

コンテンツ企業といえばなぜかブロッコリー、、
コンテンツ企業といえばなぜかブロッコリー、、

だから、日本の著作権侵害の現状は、「誰もがやっているし、ユーザーも著作権者側もそれをわかっている。だけど、とくに大規模には取り締まらないし、互いにそれには触れない」という非常に奇妙な状態になっている。これは、ユーザーも著作権者側も自分たちの権利を主張しまくり、日々世界レベルの大バトルを繰り広げている欧米の現状と対象的だ(あ、そういえばAnakata釈放おめでとうw)

しかし、このために、ユーザーとコンテンツホルダー(著作権者)側のコミュニケーションが断絶されてしまっていることに、私は警鐘を鳴らす。

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たとえばピクシブ。イラスト投稿系SNSで、ユーザー数は1000万人を超えるモンスタープラットフォームだ。しかし当然ながら多くの投稿が漫画やアニメの二次創作で、権利者が訴えたらほとんどがまあ一発アウトである。二次創作自体が違法である現行の著作権法では、ユーザーが萎縮するのも無理はない。作品のファンは、「著作権侵害をしている」という後ろめたさを持ちながら、建前上は権利者(コンテンツホルダー)に隠れて二次創作をしなければならない。その作品の一番のファンは彼らであるにも関わらず。

これがたとえば、「非商業目的の二次創作ならOK、商業目的ならその作品で得た対価に一定の割合で権利者側にライセンスフィーを支払うこと」としたらどうだろうか?

これだったら、ほぼ自費出版でコミケに出展しているような大抵のファンは自由に二次創作することができる。そしてより大手の、二次創作で生計を立てているようなひとだったらコンテンツホルダーは対価を徴収することができる(禁じたり取り締まったりするよりよっぽど生産的だ)。そして、ファンはその作品のファンであることを大声で、好きなだけ(ネット上で)表現することができるのだ。

そしてなにより、「違法じゃなくなる」ことで、ユーザー側の活動が可視化され、コンテンツホルダー側とのつながりが見込め、さらなるイノベーションビジネスチャンスが期待できることが大きい。現状の二次創作・ファンコミュニティは完全にブラックマーケット化しており、健全なマーケットサイクルができていない。「ユーザー」サイドと「コンテンツホルダー」サイドが分断されており、その仲介を担う役がいないのだ。(ていうか、違法なんだからいなくて当然なのだが)

ユーザー側からコンテンツホルダー側になってしまったこの企業も、著作権法改正でまだまだ拓けるポテンシャルがある
ユーザー側からコンテンツホルダー側になってしまったこの企業も、著作権法改正でまだまだ拓けるポテンシャルがある

だから、まず著作権法を変え、ユーザーが怯えることなく二次創作や作品のシェアをし、適切に著作者に還元できるような法制度が必要なのだ。

違法ダウンロードが刑事罰化されて3年が立ったが、正規コンテンツ販売売上は減少しつづけている。この施策がなんの効果ももたらさなかったという予想できた事実がご丁寧にも証明され、次に日本が選ぶべき道は3つ。

ユーザーの権利を明記したデジタル時代のあたらしい著作権をつくるか、著作権侵害を非親告罪化しコミケ参加者を血祭りにあげるか、このまま親告罪のまま、コンテンツ消費の負のスパイラルを指をくわえて見ているか、である。

幸いなことに、日本のコンテンツ企業は寛容で、ファンにやさしい企業が多い(と私は認識している…最近は株式会社ポケモンがアメリカで開催されたポケモンファンイベントをぶっ潰すという哀しい事件があったが…)。ファンも神たるオリジナル作者に敬意を払い、ちゃんと還元しようとするやさしい世界がそこにはある。

だからこそ、日本は勇気を持って著作権を変えるべきだ。世界一の二次創作文化を合法化し、だれも恐れて口にしようともしないコンテンツのフリーシェア(非商業目的)を法制化し、「クレイジーだ」と畏怖されるような国であるべきだ。ほかのどこの国よりもデジタルに柔軟で、自由で、イノベーティブであることを世界に証明すべきだ。そしてその先に、世界への日本のコンテンツ輸出、デジタルコンテンツに即したビジネスモデルの設計、ハーグリーブスレポートで証明されたような国家の経済成長をきちんと見据えるべきだ。

日本はまだまだできる、と信じながら。


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