国際政治がすきなら、欧州議会で絶対働くべき5つの理由

欧州議会がオモシロイ。

とにかく国際政治に興味のあるひとは全員欧州議会で働いたほうがいいと思う。その理由を挙げてみた

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1. 多彩な政策分野

政治と一言に言ってもその分野は多様だ。経済政策、外交政策、開発政策、社会保障政策…… 政治に興味があって、政治関係の仕事をしてみたいと思う人は、大体興味のある政策分野に関連した組織や団体を探す必要がある。たとえば経済政策だったら経団連とか、人権問題だったらアムネスティ・インターナショナルとか。

欧州議会では、考えうるあらゆる政策分野に通じることができる。

欧州議会では、議員は22の常任委員会にそれぞれ属し、その委員会が扱うイシューを中心に法案を作成したり、報告書をだしたりプロジェクトを立ち上げたりする。

たとえばジュリア(私が働いているところの議員さん)は司法委員会域内市場・消費者保護委員会に所属しており、「EU著作権法」「デジタル単一市場」「デジタルアジェンダ」(海賊党なので)などをメインとして活動しているが、隣のオフィスの緑の党の議員は人権委員会地域開発委員会に属し、人権問題や、民主主義をどのように第三国にひろめていくかといったイシューについてが専門、と行った具合だ。

だから、どんな問題に興味があろうと、かならずそのイシューについて活動している議員がいるのだ。「日欧関係」「EU-中東関係」など、特定の国や地域の政治に興味がある場合でもOK. 欧州議会の議員はそれぞれ、各国の代表使節として委任されており、その国担当の議員さんにつけば、EUとその国の外交関係を詳細に知ることができる。ちなみにジュリアはアメリカとインドの代表使節である。

さらにさらに、欧州議会内では毎日のようにさまざまなイベントやカンファレンスが催されており、自分の専門分野でない政策のイベントにも気軽に行くことができる。

まさに政治好きにとっての楽園、それが欧州議会なのである。

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2. 人種の多様性

Wikipedia先生も仰っているように、欧州議会は国境を越えた民主的な議会としては世界最大の規模を誇る。国にして28ヶ国、そこでは人種、肌の色、言語、宗教の違うさまざまな人に出会うことができる。また、ほとんどのひとが母語でない英語を話すので、コミュニケーションもとりやすい。これだけ見た目や言語が異なるひとびとと一緒に仕事をしていると、「民主主義とはそもそも、異なるひとびとが共同体をつくり、最高善をめざすためのものなんだナア…」とじーんとアリストテレスってしまう。

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3. 立場の多様性

人種と同様に、欧州議会ではあらゆる立場のひとたちに会うことができる。リベラル系、保守系、社会民主系、中道右派、中道左派、共産主義系、リバタリアン…どんなひとに会っても、フラットに会話することができる。

また、欧州議会の選挙はすこし特殊で、職業政治家でないひとが多いのが特徴だ。議員の入れ替わりが激しく、さまざまなバックグラウンドをもったひとが欧州議会議員となっている。ジュリアは議員就任前大学生だったし、前海賊党議員のアメリアは議員退任後また大学に戻っている。NGOや会社で働いていた議員も多い。議員がより市民に近い存在にいる。

関連して、服装も多様なのがオモシロイ。かっちりしたスーツのひともいれば、Yシャツにチノパンというセミカジュアルのひともいれば、TシャツにGパンというひとまで、多種多様だ。(ちなみに見た目で大体政治会派がわかる爆)

つまり、欧州議会では、あなたがどこ出身だろうと、何歳だろうと、何語を話そうと、どんな信条をもっていようと、どんな見た目をしていようと、それだけで受け入れられないことは決してないのである。
ちなみにジュリアはふだんはこんな感じのラフな恰好をしているが、議会ではスーツを着ている。「インターンと間違われて面倒くさい」かららしい
ちなみにジュリアはふだんはこんな感じのラフな恰好をしているが、議会ではスーツを着ている。その理由も「インターンと間違われるから」らしい

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4. 先鋭な議論

人を「所属」で判断しないとなると、何で判断するか。もちろんその人が「なにを話すか」である。欧州議会、というかヨーロッパではひとを所属で判断することは社会的タブー、マナー違反とされているので、そのひとの話す内容が何より重要で、その内容や論理の一貫性にはよりシビアな目が向けられる

したがって、欧州議会の会議での応答は、日本の国会でのものと比べてずっとシャープでスマートだ。ひとに訴えかけるためのワーディングや語気や構成が洗練されており、何気なく聞いていてもつい聞き込んでしまうこともある。日本の国会議員がつかうような「いわば、それは一般論と致しましては肯定致し兼ねることもできなくはない、と捉えていただいて結構でございます」的な、翻訳不能の政治語がなくスッキリとしているのである。

ディベートがすき、論理でひとを打ち負かしたい、というひとは、欧州議会で最高のパフォーマンスをすることができるだろう。

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5. EUのシステム

さいごにEUヲタ臭いことを言うと、何よりもEUがめざしているもの、EUの仕組みがオモシロイ。それはどう民主主義を実装していくかだったり、基本的人権を守るために何ができるかだったりさまざまだが、どんな問題でも複雑な利害関係や異なる「正義」が対立する。しかし、それでもなお、一貫した共通の目標にむかって不断にアプローチをつづけていくこと、これこそが政治の醍醐味なんだなあ…とおもう。

たとえば難民問題。難民をどう扱うか、これはEUの政策の中でももっとも喫緊の話題である。しかし、「基本的人権の尊重」というEUの中枢たる理念に基づき、EUはこの問題を乗り越えようとしている。今日、ストラスブールの欧州議会で、ユンカー欧州委員会委員長が「宗教も、思想も、哲学も越えて難民問題に取り組む必要がある」と力強く訴えたように。

日本ではまだまだ政治のことを公に話すことが良しとされない風潮があるし、「政治」をおこなう以前のしがらみなどに引きずられて本当に大切な議論ができていない。まだまだ日本の政治はヨーロッパから学ぶべきものがあるし、日本の政治ももっとクリーンで透明なものになっていってほしいと強く願う。

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