ローレンス・レッシグ、アメリカ大統領選出馬するってよ

卒業単位を取るのに必要なLiterature Review(読書感想文的な。。)の課題図書にローレンス・レッシグの’Code 2.0’を読む!と決めたにも関わらず、夏のバカンス気分にかまけて二ヶ月も放置していたのだが、なんとレッシグ本人が次のアメリカ大統領選の民主党候補に立候補するという突報が入ったので、がぜんやる気が出てきた。というわけで早速、ウェブサイトからわかる主義主張や政策などをチェック(早くLiterature Reviewやれよ…)。

はじめにローレンス・レッシグのかんたんなプロフィール。

法学者・政治活動家。とくに憲法学およびサイバー法学を専門とする。2002年、アーティストや著者が著作権を自由にデザインできるようにするための組織クリエイティブ・コモンズを創設。以降、自由な創作やインターネット上の自由を阻害する法律に一貫して反対する活動を行ってきた。フリーソフトウェア財団、電子フロンティア財団、フリーソフトウェア法センター、パブリック・ナレッジなどの役員を歴任。

どこかで、最近はサイバー法や著作権法からは距離を置いていると読んだのだが、それでもコピーレフト運動やフリーソフトウェア運動の文脈でもっとも著名な人物のひとりであることは間違いない。
海賊党とも非常に親和性がある信条を持っている学者である。

そして今回の出馬で彼が強調するのは、「候補者の国民投票(referendum candidate)」というワードである。彼によれば、彼が出馬する唯一にして最大の理由は2017年の「市民平等法(The Citizen Equality Act in 2017)」という特定の法律を通すこと。それが通れば大統領の座を降り、副大統領が大統領へと昇格するという。その法律を通すためだけに存在する大統領なのだから「法律を国民投票で決めるごとく大統領候補者を選ぶ」=候補者の国民投票、ということなのだろう。

では、なぜ彼はこのようなユニークな方法を選んだのか?
その理由はずばり彼が掲げる「市民平等法」にある。

彼によれば、アメリカの民主主義政治の根本的な問題はその不平等性にある。選挙制度は腐敗し、代表を決める決定権を持つのは市民のうちの1%に過ぎない。レッシグは、この問題は国会によって根本的に改善されるべきだと主張する。

「市民平等法」で彼が実現すると掲げるのは次の三つである。

  1. 少数の億万長者のみが選挙キャンペーンに参画できるような現行の制度を撤廃し、幅広い層の市民から資金を調達することを義務付ける。
  2. 特定な候補者や政党に有利になるような不当な選挙区割の廃止。
  3. 平等な選挙権の行使を抑制する障害の撤廃。

そして、これらの根源的な政治参画の自由を実現するには、もっともクリアなビジョンとそれを実現する権限をもつ人間、すなわち大統領が必要である。そしてこの自由が実現され次第、大統領はお役御免なので、副大統領が彼を引き継ぐべきである… と彼はいう。

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この「法律をひとつ通すためだけに大統領になり、そのあとは辞任する」というのははっきりいってかなり非現実的だし突拍子もないアイデアである。大統領候補なのに経済政策、社会保障政策、外交政策がないのはナンセンスだし、そもそも副大統領が任期を引き継ぐ前提ならば彼/彼女を誰にするかも事前に選ばなくてはそれこそ政治腐敗につながる。しかし私はあえて彼のアイデアを評価してみたい。

液体民主主義ミートアップで出会ったアメリカ人アクティビストも歎息していたが、アメリカの選挙制度の不平等性は日本のものとは比べ物にならないほど「カネがものをいう」世界である。代議制民主主義が特定の富裕層のみを代表しているため、多くの多数派の人々の声は無視され民主主義は機能不全を起こしている。まずこの機能不全を修正するという彼のコアビジョンは評価に値すべきだし、彼ほどの有名人がこのポリシー「のみ」を掲げて出馬すれば、この問題に新たにスポットライトが当たることになり、新たな選挙制度の導入の議論も活性化するに違いない。ここがまず評価できる一点である。

さらに、「候補者の国民投票(referendum candidate)」という奇抜な実現方法も海賊党的観点から見れば(笑)評価しなければならないのだろう。アメリカの大統領選挙でこれだけ論点を絞り、スイス的な直接選挙を参照しながら「特定の法律」を通すために私を選んでくださいというのはそれだけでスタイリッシュな感じがする。選出方法に疑問が残るとはいえ副大統領というバックアップもあることだし。それに、海賊党近辺で一時期(苦笑)盛り上がっていた液体民主主義も、「代表者は、市民の直接投票によって決められた政策を実現するために存在する」という理念があるので、レッシグの考え方は液体民主主義に似通っているともいえる。これが二点目の評価ポイントである。

というわけで大統領選の民主党の出馬候補に立候補した(ややこしい…)ローレンス・レッシグの主張と評価ポイントをまとめてみた。彼の立候補表明は11日だったのでまだあまり大きくニュースなどには取り上げられていないがSNSなどでは一定の注目を集めている。もしおもしろそうな論点があればまたまとめてみたい。

ちなみに彼は選挙資金をクラウドファンディングで募っている。興味がある人、サポートしたい人はこちらから!

よし、Code2.0読む……


2 thoughts on “ローレンス・レッシグ、アメリカ大統領選出馬するってよ

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