液体民主主義ってなに?

*2014年11月、海賊党欧州議会議員ジュリア・レダさんが主催した第一回液体民主主義ミートアップに参加してきました。
このブログはそのイベントの前に書かれたものです。

液体民主主義とはおそらく

発議ができて、
他の人に投票を委任できる直接民主主義

インターネットを使用した液体民主主義や直接民主主義は、ドイツなどの海賊党やハンガリーのインターネット民主党などで試みられているようです。

ソフトウェアを使用することで、参加者(市民あるいは党員)はインターネットを通じて、ブラウザなどから議案に投票したり、議案や分野ごとに投票を委任したり、発議したり、対案を出したりできます。

Illustration of how liquid democracy works:by Common Good Finance Corporation/Society to Benefit Everone (CC BY-SA3.0)
Illustration of how liquid democracy works:by Common Good Finance Corporation/Society to Benefit Everone (CC BY-SA3.0)

間接民主主義は民主政治のコストを抑えることができますが、寡頭制(実質的に少数のエリートや資産家が議会を支配してしまう)や腐敗、偏ったロビイングによって、議会と民意が不当に乖離してしまうことがあります。現代では、インターネットを通じて、有権者がそれぞれの議案に対して直接投票する直接民主主義も、低いコストできるようになりました。

しかし、直接民主主義では投票者が十分な知識を持たないまま、困難な選択を求められてしまいます。液体民主主義では、直接投票に加えて、より賢明な判断をしてくれるであろう人に投票を委任することができます。投票の委任は、例えば議案ごと、保健や行政管理といった分野ごと、もしくは包括的に行うことができます。

日本の国会や地方議会を含めて、多くの議会では分野ごとに委員会を設けて、ある程度専門的な知識を持つ議員がそれぞれの委員会で実質的な審議をしています。液体民主主義の分野ごとの委任はこの仕組みに似ていると言えるでしょう。

One thought on “液体民主主義ってなに?

  1. とても可能性に満ちた取り組みだと思います。全ての領域を包括的に委任しなければならないという現在の議会制政治は、このような方向で発展的に解消されるのが理想的でしょう。ただ、十分な知識を持たないまま、「より賢明な判断をしてくれるであろう人」を選べるのかは疑問です。民主主義の大前提は、一人ひとりが、可能な限り最大限に知的かつ倫理的であろうとする弛まぬ努力だろうと思います。それが討議や投票、委任の前提です。どのような社会に暮らしたいのか、一人ひとりが自分なりのビジョンを描く創造力と、その社会が自分と違った人にとっても望ましいものになるよう確保する想像力が大切ではないでしょうか。今と全く違った社会は可能なのだと理解し、これまでの慣習に囚われない法体系や教育活動などを発想していく勇気が、現代の危機を乗り越えるために必要ではないかと思います。

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